本当に必要なのは対面会議、ネット会議は会議ではない

 コロナで対面会議が出来なくなりネット

による会議がつづいている。あげくに学会

の研究発表までネットでやる始末。しかし

このような風潮を放置しておいて良いはず

はない。

 長年大学や物理学会において年がら年中

会議、会議をやって来た私として電話会議

に毛の生えたモノがそんなに役に立つとは

思えない。二人だけの電話対話すら顔を見

ないでは情報はうまく伝わらない。

 会議中司会をやっていると発言の手も挙

がらず反対の意思表示もない場合がある。だ

からと言って全員賛成と即決判断してはな

らない。皆迷っているのだ。このような場合

には各テーブルをみると顔は下に向け陰気な

雰囲気が伝わる。

 このような場合結論を急ぐべきではない。

『目は口ほどにモノを言い』が鉄則である。

 場合によっては20人の会議でも急に特定

の二人の論争になることがある。座長はあっ

ても無きがごとしの論争。座長はこの論争を

どのように収拾すべきか。それはその場に居

る他の出席者の顔の向きをみる。二人の論争

者から目をそらしているならこの論争はやめ

させるべきである。『目は口ほどにモノを言

い』である。

 もうこれでお分かりだろう。ネット会議は

会議とは言えない。政府の会議、つまり閣議

がネットでやられてしまったらとんでもない

ことだ。

 

 

――ウェブ会議システムを使い始め、今では毎日世話になっている身としては、プラス面のほうが大きいように感じます。どこがいけませんか。

 定型的で、連絡事項を伝えるだけの会議ならウェブは役割を果たせます。ですが、大学の総長など会議を主催してきた立場としては、議論を尽くして本当に重要なことを決定する会議にはウェブは不向きだし、使うべきではないとすら思っています。