正月の上流階級の絵姿のマネはどうですか?!

 私は常日頃明るく陽気で楽天的なせいか、自分は

貧しい東北の農村部で生まれ育ったことなど思い出

したことも無ければ、ましてヒトにしゃべったこと

もない。生まれや育ちなど自分の性格や素質になん

の関係もない、とヘンな自信も持っているのだ。

 ところが年に一度、正月だけは違う。正月の新聞

やテレビには皇室をはじめ上流階級の皆様方の晴れ

姿や歩き方などがこれでもか、これでもかと連日写

しだされる。男性の皆様方は揃いもそろって黒の背

に黒の靴。

 私だって黒い靴も黒の背広も持っている。しかし

その同じ黒でも上流階級の黒は私の黒とは違う。黒

光りだけならなんとかごまかせても私のは下品な黒

だから嫌になる。下品な黒は光とか輝きがない。輝

きと言ってもただ光っているのではない。黒の底に

どことなく光がただよっているのだ。

 正月は嫌だなあ!私も正月ぐらい上品な黒で固めて

近所のばあさんたちをうならせたいものだ。